歯科用CTとは? 医療用CTとの違い レントゲンとの違い 歯メリット Q&A リンク集
歯科用CTとは?
Computed Tomographyの略で、コンピューターを駆使したデータ処理と画像再構成で、断層写真を得ることのできるX線コンピューター 断層撮影装置のことです。 今までのレントゲンは平面単位の情報しか得られませんでしたがCTでは立体での情報を得ることができます。
そのCTの中でも、X線の照射装置を従来からのファンビーム方式ではなく、コーンビーム方式を用いて撮影するものを歯科用CTと言います。立体的な高画質画像を得ることができるため、平面画像としてのパノラマX線撮影や口内法X線撮影では判別できない、画像診断を行うことができます。
コーンビーム方式とは・・・コーンビームCTは面センサー(2次元検出器)に、X線を ”円錐状(コーン状)” に照射し、2次元データを取得します。そのため、1回転(約5秒)の撮影で3次元画像を作成します。 撮影時間が短いため、被ばく量が少なくできます。
コーンビーム方式の歴史・・・国内における歯科用コーンビームCT(CBCT)の歴史は、モリタ制作所の3DXの歴史からはじまります。 当時は、インプラントなどの術前検査には医科用のCT撮影が主流でしたが、医科用CTは放射線被曝量が多く、歯科領域のような、細かい精度を必要とする治療には断層スライスの幅も厚すぎました。 そのため、1992年より日本大学とモリタ制作所が歯科領域での使用を目的とした歯科用コーンビームCTの開発をスタートさせました。1997年には試作初号機が完成し日本大学にて臨床が開始されました。当時の3DXは従来法のパノラマエックス線撮影法とほぼ同程度の被曝量であり、従来の医科用CTと比べるとかなり低被曝化に成功している。撮影時間も17秒と短く、現在の歯科用CTと比べても変わらない。しかし、撮影範囲は4cmΦ×3cmとデンタル撮影並みの範囲であった。さらに、当時のコンピューターのスペックでは画像の再構成に3分ほど時間がかかっていた。それでも、当時としては画期的な画像診断装置であり、2001年11月までに、試作機を含め5700症例のデータが集まり、埋伏歯、過剰歯、根尖病巣、根分岐部病変、顎関節症やインプラント治療の診断に有効であることが証明された。 その後、撮影領域は広がり、コンピューターの性能が上がるとともにデータ処理速度の向上で画像再構成時間は短縮しつつある。フラッドパネル(FPD)を搭載した歯科用CTが量産され、小スペースでコンパクトな歯科用CTが各社から販売されている。近年では、歯科用CT撮影が可能なフラッドパネル(FPD)を搭載した、パノラマエックス線装置(複合機、オールインワン機)も登場しコンパクト、高画質、多機能性をもっている。